障がい者の障害特性に合わせた防災対策を普及させる活動を行っています

障がい者における災害時の課題

いざ災害が発生した時、障がい者の方には、その障害特性によって、健常者にはない様々な問題が発生します。
以下にそのごく一部の事例を挙げていますが、当会ではこういった事例の蓄積と、対処するためのノウハウの提供を行っております。

避難行動要支援者の特性ごとの避難行動等の特徴

視覚障がい者

  • 自ら被害の状況を知ることができない場合がある。(視覚情報による緊急事態の察知が不可能な場合が多い。)
  • 災害時には、住み慣れた地域でも状況が一変することに伴い、援助なしでは、いつもどおりの行動ができなくなる場合がある。
  • 避難所等慣れない場所では、移動など行動することが難しくなる場合がある。(単独では素早い行動ができない。)
  • 視覚障がいのほかに、知的障がいや聴覚障がいなど重複障がいのある方がいることにも留意。

聴覚障がい者

  • 音声による情報が伝わりにくい場合や伝わらない場合がある。(視覚外の異変・危険の察知が困難。音声による避難誘導の認識ができない場合がある。)
  • 緊急時でも、言葉で人に知らせることが難しい。
  • 外見からは障がいのあることがわかりにくい。
  • 聴覚障がいのほかに、知的障がいや肢体障がいなどの他の障がいもある者もいることにも留意。

盲ろう者

  • 避難所等慣れない場所では、移動などが難しい(単独での避難行動が難しい)。
  • 障がいの状態(全盲ろう、弱視ろう、盲難聴、弱視難聴)によって、情報収集の方法が異なり、状況判断が難しい。

言語障がい者(失語症等)

  • 緊急時でも、言葉で人に知らせることが難しい。
  • 外見からは障がいのあることがわかりにくい。

肢体不自由者

  • 自分の身体の安全を守ることが難しい。
  • とりわけ、下肢障がいがある者などは、自力で避難することが難しい。

内部障がい者

  • 外見からは障がいのあることがわかりにくい。
  • 自力歩行や素早い避難行動が困難な場合がある。
  • 心臓、腎臓、呼吸器などの機能障がいのために、人工透析など医療的援助が必要な場合がある。
  • 医薬品を常時携帯する必要な方がいる。
  • 常時医療機材(人工呼吸器、酸素ボンベ、吸たん器など)を必要とする方がいる。

知的障がい者

  • 急激な環境の変化に順応しにくい場合がある。
  • 一人では理解や判断することが難しく(緊急事態等の認識が不十分な場合)、環境の変化による動揺が大きく見られる場合がある。

精神障がい者

  • 災害発生時には、精神的動揺が激しくなる場合がある。
  • 自分で危険を判断し、行動することができない場合がある。
  • 普段から服用している薬を携帯する必要がある。

高次脳機能障がい者

  • 同時にいくつものことができない場合がある。
  • 複数の指示が出ると混乱する場合や、言葉の指示でどのように行動してよいかが分からない場合がある。
  • 少し前の記憶や行き先や場所を忘れてしまう場合がある。
  • 緊急時でも、自分の知りたいことやして欲しいことを言葉で人に知らせることや他の人の言葉の理解が難しい場合がある。
  • 自分で危険を判断し行動することができない場合があるため、危険な場所に行ってしまうことがある。
  • 一人では理解や判断することが難しく、環境の変化による動揺が見られ、考える前に行動してしまう場合や、その都度指示されなければ行動できない場合や、直接指導等の支援が必要となる場合がある。
  • 外見からは障がいのあることがわかりにくい。
  • 受け答えはスムーズで、障がい認識ができていない場合もあり、「できる」「わかった」などを自信を持って返答するが、実際には行動できない。
  • 突然興奮したり、怒り出したり、我慢できないことなどがある。
  • 自分の疲労に気付きにくいことがある。

発達障がい者

  • 環境の変化(いつもと違うこと)や見通しが立たないことが苦手なために、不安から落ち着きがなくなったり、精神的に不安定になってパニックを起こしたりする場合がある。
  • コミュニケーションが苦手であるために、一斉に伝えられた情報を理解しにくかったり、自分が困っていることを伝えられなかったりする場合がある。
  • 想像することが苦手なために、避難の必要性や危険な場所
  • 行為が理解できない場合がある。
  • 聴覚・触覚などの感覚が過敏であるために、特定の音を嫌がって耳をふさぐ、怖がるなどの行動が見られたり、大勢の人がいる場所にいられないことがある。他に、特定の食べものしか食べられない(味覚)、特定の服しか着られない
  • 体に触れられるのを嫌がる(触覚)といった場合もある。反対に、感覚が鈍感であるために、治療が必要なけがや体の不調に気づかないことがある。
  • 受け答えがスムーズで、周囲には障がいがあることが分かりにくいことがある。

難病患者

  • 疾患によって、身体障がい者手帳を所持し、障がい状態にある場合もあることから、
    それぞれの疾病特性に配慮した対応をとる必要がある。

認知症高齢者

  • 時間、場所、人に関する見当が混乱することがある。
  • 食事をしたことを忘れて要求するなど、最近の出来事をすっかり忘れることがある。
  • 言葉が出てこなかったり、意味を理解できないことがある。
  • 身の回りの物の用途がわからなくなることがある。
  • 急激な環境の変化への適合が難しい。
  • 服の着替えがうまくできないことがある。
  • 環境の変化にぜい弱である。 
    (以上の症状は環境の変化により大きく左右されやすい)

避難行動要支援者の特性ごとに必要な主な配慮等

視覚障がい者

  • 視覚による緊急事態等の覚知が不可能な場合や瞬時に覚知が困難な場合が多いため、音声による情報伝達及び状況説明が必要である。
  • 日常の生活圏外では、介護者がいないと避難できない場合があるため、避難誘導等の援助が必要である。
  • なお、重複障がいがある者の場合には、その障がい状況に応じた援助ニーズがあることに留意する。

聴覚障がい者

  • 音声による避難・誘導の指示が認識できないため、手話・要約筆記・文字・絵図等を活用した情報伝達及び状況説明が必要である。

盲ろう者

  • 視覚や音声による緊急事態等の覚知が困難であるため、指点字や触手話、指文字、手のひら書き、拡大文字等、個々の障がい状況に応じたコミュニケーション方法により情報伝達及び状況説明が必要である。
  • 日常の生活圏外では、介護者がいないと避難できない場合があるため、避難誘導等の援助が必要である。
  • 単独でいると全ての情報から閉ざされてしまうことを考慮する。

言語障がい者(失語症等)

  • 自分の状況等を伝える際の音声による会話が困難であるため、手話・筆談等による状況把握が必要である。

肢体不自由者

  • 自力歩行や素早い避難行動が困難な場合が多いため、車いす等の補助器具が必要。この場合、メンテナンスキット(空気入れ、パンク修理、工具)も必需品である。

内部障がい者

  • 自力歩行や素早い避難行動が困難な場合があるため車いす等の補助器具が必要である。
  • 医薬品や医療機材を携帯する必要があるため、医療機関等による支援が必要である。
  • ストマ装用者にあってはストマ用装具が必要である。

知的障がい者

  • 緊急事態等の認識が不十分な場合や環境の変化による精神的な動揺が見られる場合があるため、何が起こったかを短い言葉や文字、絵、写真などを用いてわかりやすく伝えて事態の理解を図るとともに、日常の支援者が同伴するなどして、気持ちを落ち着かせながら安全な場所へ誘導することが必要である。

精神障がい者

  • 災害発生時には精神的動揺が激しくなる場合があるため、支援者は、気持ちを落ち着かせる配慮が必要である。
  • 服薬を継続することが必要な人が多いため、日ごろから自ら薬の種類を把握するよう指導するとともに、医療機関による支援が必要である。

高次脳機能障がい者

  • 「記憶障がい」などがある場合があることから、できる限り事前にその方の症状を把握し、とるべき行動を記載したメモを渡す、現在の状況や今後の見通しなど何度も繰り返して説明を行うなど、その方の症状にあった誘導方法をとることが必要である。
  • 緊急事態等の認識ができない場合があるため、何が起こったかを短い言葉や文字、絵、写真などを用いてわかりやすく伝えて事態の理解を図るとともに、日常の支援者が同伴するなどして、安全な場所へ誘導することが必要である。
  • 災害発生時には精神的動揺が激しくなる場合があるため、気持ちを落ち着かせることが必要である。
  • 食料や物資の配給を待てずに怒ったり騒いだりすることがあり、家族の代わりに列に並ぶ、別途配給するなどの対応で、家族の負担を軽減することが必要である。

発達障がい者

  • 見通しを持ちやすいように、スケジュールやこれから起こることについて、できるだけ具体的に説明することが必要である。
  • 抽象的な言葉を避け、具体的で分かりやすい言葉を使って、はっきりと伝える。耳で聞くよりも目で見たことを理解しやすい特徴があるので、その人の理解度に応じて、実物、写真、絵や言葉など目に見える形にして伝えることが必要である。
  • 危険を回避するために、してはいけないこと、行ってはいけない場所などがある場合は、あらかじめそのことをはっきり伝えることが必要である。
  • 精神的に不安定になったりパニックを起こしたりした時は、気持ちを落ち着けられるように静かな場所を確保したり、個室が用意できない場合は、テントやパーテーション、段ボールで周りの空間と区切るなどの工夫が必要である。聴覚過敏がある場合はヘッドフォンや耳栓を使うことや、お気に入りのものを用意するといったことで、落ち着いて過ごせる場合もある。
  • 本人からけがや不調の訴えがなくても、身体状況を一通り確認したり、また、食事(食欲)や睡眠の状態にも注意を払っておくことが必要である。

難病患者

  • 肢体が不自由な場合や、外見からは障がいがあることが分からない場合があるため、それぞれの病態や症状に応じた避難誘導等の援助が必要である。
  • 人工呼吸器や人工透析などの医療的援助が必要な場合がある。
  • 慢性疾患患者が多く、医薬品の確保について医療的援助が必要な場合がある。

認知症高齢者

  • 緊急事態等の認識が不十分な場合や、環境の変化による精神的な動揺が見られる場合があるため、日常の支援者が同伴するなど、気持ちを落ち着かせることが必要である。

避難行動要支援者の特性ごとの情報伝達時の主な配慮事項

視覚障がい者

  • 市町村の広報、その他生活に関する情報等が来た時には、必ず知らせる。
  • わかりやすい口調で伝える。
  • 音声情報で複数回繰り返す。
  • 点字や拡大文字のほか、指点字や触手話、指文字、手のひら書きなど、一つないし複数の組み合わせでコミュニケーションをとり情報提供に努める。
  • 盲ろう者通訳
  • 介助員を避難所等に派遣する。
  • 重複した障がいがある者の場合には、さらに別の障がいに応じた支援が必要になる。

聴覚障がい者

  • 正面から口を大きく動かして話す。
  • 文字や絵を組み合わせた筆談で情報を伝える。(常時筆記用具を用意しておく。)
  • 盲ろう者通訳
  • 介助員、手話通訳者及び要約筆記者を避難所等に派遣する。
  • 掲示板、ファクシミリ、Eメールを活用した情報提供を行うとともに、文字放送専用テレビを避難所に設置することに努める。

盲ろう者

  • 生活環境や障がいの状況、障がい発生時期等により、コミュニケーションの方法も一人ひとり異なる。
  • コミュニケーションの方法は、点字(指点字)、手話(触手話)、指文字、筆談、手のひら書き、音声、その他に分類でき、一つないしは複数の組み合わせでコミュニケーションを取る。
  • 市町村の広報、その他生活に関する情報等が来た時には、必ず知らせる。
  • 指点字や触手話、指文字、手のひら書き等の手段により状況を伝える。
  • 盲ろう者通訳
  • 介助員を避難所等に派遣する。

知的障がい者

  • 具体的に、短い言葉で、わかりやすく情報を伝える。
  • 絵、図、文字などを組み合わせて、理解しやすい方法で情報を伝える。
  • 精神的に不安定になる場合があることに配慮する。

精神障がい者

  • 具体的に、わかりやすく簡単に情報を伝える。
  • 精神的に不安定になる場合、専門的知識のある人に連絡をとるなど配慮する。

高次脳機能障がい者

  • とるべき行動や大切な説明や予定はメモを渡す。
  • 絵、図、文字などを組み合わせて、理解しやすい方法で情報を伝える。
  • 言葉が出ずに困っている時は、本人の状況を推測して選択肢をあげたり、絵や図を活用するなどして、表現のサポートを行う。
  • 精神的に不安定になる場合があることに配慮し、イライラしている時は、静かな場所へ誘導し、落ち着くまで待つ。
  • 何度も同じことを聞く時は、いつも見える場所にメモを貼ったり、繰り返しの説明を行う。

発達障がい者

  • 抽象的な言葉を避け、具体的で分かりやすい言葉を使って、はっきりと伝える。その人の理解度に応じて、実物や写真、絵、言葉など目に見える形にして伝える。
  • 予告できることは、できるだけ事前に伝えておく。
  • 大きな声を怖がったりする場合があるので、穏やかな声で話しかける。
  • 一斉の説明では十分理解できない場合があるため、個別に声をかけ、理解できているかどうかを確認する。
  • してはいけないこと、行ってはいけない場所、触ってはいけないものなどがある場合は、あらかじめそのことをはっきり伝える。「×」などの印やマークを使って、はっきり分かるように示す。

難病患者

  • 視覚、聴覚に障がいがある場合や、認知症をともなう場合は、それぞれの状態を把握し、理解しやすい方法で情報を伝える。

認知症高齢者

  • 具体的に、短い言葉で、ゆっくりとわかりやすく理解しやすい方法で情報を伝える。

避難行動要支援者の特性ごとの避難誘導時の主な配慮事項

視覚障がい者

  • 安否確認及び避難所への避難誘導(歩行支援)を誰が行うのか、予め取り決めておく。
  • 白杖等を確保する。
  • また、日常の生活圏であっても、災害時には周辺環境の変化から認知地図(頭の中の地図)が使用不能となる場合があることに配慮する。

聴覚障がい者

  • 手話や文字情報によって、状況説明を行い、避難所等へ誘導する。(筆記用具等を用意しておく。)

盲ろう者

  • 安否確認及び避難所への避難誘導(歩行支援)を誰がどのように行うのか、予め本人に伝え取り決めておく。
  • 指点字や触手話、指文字、手のひら書き等によって状況説明を行い、避難所等へ誘導する。
  • たとえ少しの距離であっても支援者の存在が確認できなければ、一人になっているのではないかと不安に感じてしまうので、近くにいることを伝え、少しでも安心できるように留意する。

言語障がい者(失語症等)

  • 手話や文字情報によって、状況説明を行い、避難所等へ誘導する。(筆記用具等を用意しておく。)

肢体不自由者

  • 自力で避難することが困難な場合には、車いすやストレッチャー等の移動用具等を確保することが望ましいが、移動用具等が確保できない場合には、担架やリヤカーの使用、おんぶなどにより避難する。

内部障がい者

  • 常時使用している医療機材を確保するほか、医薬品を携帯するとともに、自力で避難することが困難な場合には、車いすやストレッチャー等の移動用具等を確保することが望ましい。移動用具等が確保できない場合には、担架やリヤカーの使用、おんぶなどにより避難する。

知的障がい者

  • 一人でいる時に危険が迫った場合には、緊急に保護する。
  • 災害の状況や避難所等の位置を、短いことばや文字、絵、写真などを用いてわかりやすく説明するとともに、必要に応じて誘導する。
  • また、動揺している場合には、日常の支援者が同伴するなどして、気持ちが落ち着くよう支援することが大切である。

精神障がい者

  • 災害の状況や避難所等の位置を伝えるとともに、必要に応じて無理のないやり方で誘導する。
  • また、動揺している場合には、時間をとり気持ちが落ち着くよう支援することが大切である。

高次脳機能障がい者

  • 災害の状況や避難所等の位置、とるべき行動や大切な説明や予定を記載したメモを渡し、絵、図、文字などを組み合わせて、誘導する。
  • また、動揺している場合には、日常の支援者が同伴するなどして、気持ちが落ち着くよう支援することが大切である。
  • 何度も同じことを聞く場合でも、繰り返しの説明を行う。
  • 道や建物の中で迷うことがあるので、目的地まで付き添うなど必要な誘導を行う。
  • けがをしているのに気付かないことがある。本人の主訴だけでなく、身体状況等周り方からも聴取する等よく確認する。

発達障がい者

  • 事前に避難誘導が必要なことが分かっている場合には、あらかじめ行き先、移動する時間、同行する人などについて説明しておく。
  • これから起こること(すること、行く場所など)や取るべき行動について、具体的で分かりやすい言葉を使い、はっきりと伝える。
  • 一斉の説明では十分理解できない場合があるため、個別に声をかける。

難病患者

  • 肢体不自由者や、内部障がい者と同様に、車いすやストレッチャー等の移動用具を確保することが望ましい。
  • 常時使用している医療機材を確保するほか、医薬品を携帯するよう周知を徹底する。

認知症高齢者

  • 動揺している場合は、日常の支援者が同伴するなどして、気持ちが落ち着くよう留意し、支援する。

*障がい者の特性等については、上記の他、以下にも詳しく掲載されている
・「障がいのある方への接遇マニュアル」 出典:東京都心身障がい者福祉センター
・「防災マニュアル」 出典:東京都心身障がい者福祉センター
(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/saigai/saigaimanual/index.html)

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